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後藤 淳; 菅原 昌彦*; 大島 真澄; 藤 暢輔; 木村 敦; 長 明彦; 小泉 光生; 水本 元治; 大崎 敏郎*; 井頭 政之*; et al.
AIP Conference Proceedings 769, p.788 - 791, 2005/05
マイナーアクチニド(MA)の中性子捕獲断面積は、ADSなどの革新的原子炉の研究開発で高精度な値が必要となる。しかし、現状では誤差が大きいものが多く、またデータ間で矛盾が生じているものもあり、より高精度な測定が望まれている。そこで、われわれは高精度なMA中性子捕獲断面積測定を目指し、全立体角Geスペクトロメータを開発している。全立体角Geスペクトロメータは、30個のGe結晶で測定試料を覆うことで、高効率,高エネルギー分解能で線を検出する装置である。本研究では、シミュレーションプログラムGEANT4を用いてスペクトロメータのシミュレーションを行った。スペクトロメータに線を入射させ、線と物質との相互作用をシミュレーションすることで検出器の応答を調べた。その結果より、本スペクトロメータが1520%の絶対効率(1MeV線に対して)であることがわかった。
甲斐 哲也; 小林 捷平*; 山本 修二*; Cho, H.*; 藤田 薫顕*; 木村 逸郎*; 大川 内靖*; 若林 利男*
Annals of Nuclear Energy, 28(8), p.723 - 739, 2001/05
被引用回数:7 パーセンタイル:48.68(Nuclear Science & Technology)背中合わせ型核分裂計数管を用いて0.003eVから10keV領域におけるAm核分裂断面積を測定した。これらの実験は、京都大学鉛減速スペクトロメータを用いた0.03eV~10keV領域、京都大学原子炉熱中性子照射施設における0.025eV、飛行時間分析法による0.003eV~35eV領域において行った。測定結果を評価済み核データファイルJENDL-3.2,ENDF/B-VI,JEF-2.5及び既存の比較して、評価済み核データの妥当性を議論した。
古高 和禎
JNC TN8400 2000-028, 70 Pages, 2000/10
本報告は、著者が核燃料サイクル開発機構において、平成9年11月から平成12年10月までの期間に博士研究員として行った研究内容をまとめたものである。本報告は、二つの内容に分かれる。すなわち、一つは、熱中性子吸収断面積の測定の高度化に関する研究である。今一つは、HHS検出器を用いた光核反応断面積の微細構造測定の高度化に関する研究である。1)放射化法を用いた線測定による熱中性子吸収断面積測定において、得られる結果の精度に影響を及ぼす主な要因には、線収量の統計精度の他に(1)線ピーク検出効率の校正精度、及び(2)線放出率の精度があげられる。本研究では、高速三次元同時計測システムを作成することにより、(1)線ピーク検出効率を精密に校正するための、-同時計測法を用いた標準線源放射能の精密測定、及び(2)短寿命核の線放出率の精密測定に用いるための、線検出器にプラスチックシンチレータを用いた-同時計測法の開発及び、それを使用した100Tcの線放出率の精密測定を行い、熱中性子吸収断面積測定の高度化を図った。2)熱中性子吸収断面積が小さい核種に対しては、巨大共鳴領域の線を用いた光吸収反応による核変換が提案されている。光吸収反応による核変換を効率的に行うためには、光吸収断面積の入射線エネルギー依存性を詳細に知る必要がある。本研究では、高分解能高エネルギー線スペクトロメータ(HHS)を用いた光吸収断面積の微細構造測定をより精密で信頼できるものとするために、精密なモンテカルロシミュレーション計算を実施し、検出器の標準線応答関数の整備を行った。
小林 捷平*
JNC TJ9400 2000-009, 63 Pages, 2000/02
本研究の前半では、長半減期を有する核分裂生成物(FP)の代表的核種であるTc-99について、まず、中性子核データの現状、評価済核データについて調査を行った。次に、京都大学原子炉実験所の電子線型加速器と組み合わせて付設されている京都大学鉛スペクトロメータ(KULS)を用いて、99Tc(n,)100Tc反応断面積を熱中性子から1keVのエネルギー領域において測定した。中性子捕獲によって放出される即発ガンマ線は、アルゴンガス入り比例計数管を用いて測定した。入射中性子束/スペクトルの測定はBF3比例計数管によって行い、捕獲断面積の絶対値は10B(n,)反応によって求めた相対測定値をTc-99の熱中性子断面積に規格化した。Tc-99試料に対する中性子自己遮蔽効果は、MCNPコードを用いた計算によって補正した。Chouらが鉛スペクトロメータを用いて測定したTc-99の中性子捕獲断面積は、本測定値より全体に高いがエネルギー依存性はよく一致している。ENDF/B-VI、JENDL-3.2の評価済核データは、5.6、20eV共鳴領域及び数100keV以上で高くなっている。本研究の後半では、鉛スペクトロメータの原理とその構築、諸特性についてまとめた。中でも、KULSの特性として(1)中性子減速時間t(s)とエネルギーE(keV)の関係(ビスマス孔:E=190/tの2乗、鉛孔:E=156/tの2乗)及び(2)エネルギー分解能(ビスマス孔、鉛孔共に約40%)に関しては共鳴フィルターを用いて実験的に求め、(3)飛行時間分析法によってKULS体系中の中性子スペクトルを測定した。一方、MCNPコードを用いてKULSの諸特性を計算した結果、全体に実験値とよい一致を示した。
秋宗 秀俊; 大東 出*; 藤田 佳孝*; 藤原 守; Harakeh, M. N.*; Jnecke, J.*; 與曽井 優*
Physical Review C, 61(1), p.011304_1 - 011304_4, 2000/01
被引用回数:22 パーセンタイル:73.05(Physics, Nuclear)Bi原子核の微視的核構造が21.1MeVのスピン二重極共鳴を450MeV(He,t)反応によって励起することによって研究された。高分解能スペクトロメーター「Grand Raiden」と陽子放出崩壊を同時測定するSSDを組み合わせることによって共鳴からの陽子崩壊を測定することができた。Pbへ陽子崩壊する全幅と部分幅が測定され、実験結果は最近の理論結果とよく一致することがわかった。
中島 一久; 中西 弘*; 小方 厚*; 原野 英樹*; 上田 徹*; 上坂 充*; 渡部 貴宏*; 吉井 康司*; 出羽 英紀; 細貝 知直; et al.
Proceedings of 6th European Particle Accelerator Conference (EPAC98) (CD-ROM), p.809 - 811, 1998/01
光量子科学センターレーザー加速研究グループは高エネルギー加速器研究機構、東京大学原子力工学施設と共同でテーブルトップテラワットレーザーを用いたレーザー航跡場加速実験を実施し、17MeVの電子ライナックからのビームをピーク出力2TWパルス幅90fsのレーザーパルスによる航跡場において200MeV以上まで加速することに成功した。またこれを裏付ける航跡場の直接測定矢レーザーパルスの自己チャネリングの観測にも成功しており加速実験結果と良い一致を示している。さらにレーザー加速実験の高度化のためのフォトカソード電子銃を用いた高品質電子源の開発、高精度エネルギー測定のためのエマルジョン検出器を用いたスペクトロメーターの開発、高強度レーザーパルスの長距離伝播のためのキャピラリー放電プラズマ導波路の開発についても述べ、今後のレーザー加速実験計画について発表する。
山岸 秀志; 荒 克之
JAERI-Research 97-063, 17 Pages, 1997/09
エネルギー計測範囲が8桁以上で、エネルギー計測誤差幅が10%以下の性能を有する高速中性子エネルギースペクトロメータの実現性について検討した。ここでは、磁場により反跳陽子の軌道を偏向、その変位からエネルギーを計測する原理に基づくスペクトロメータについて、磁場構造、磁場強度及び反跳陽子検出用スクリーンの幾何学的配置を最適設計するとともに、その性能について計算評価した。この結果、磁場を放射線形状に設計、スクリーンを80の角度で配置し、磁束密度を6100.6[T]の範囲で走査することにより、最適な性能が得られることがわかった。本検討により、エネルギー計測範囲が0.1[eV]100[MeV]の9桁で、エネルギー計測誤差幅が全計測範囲を通して9%以下の性能を有するスペクトロメータの実現の可能性を示すことができた。
小林 捷平*
PNC TJ9604 97-001, 108 Pages, 1997/03
電子線型加速器と組み合わせて付設された京都大学鉛スペクトロメータKULSについて、まず、その諸特性を求めた:共鳴フィルター法により(1)中性子減速時間t(s)とエネルギーE(keV)の関係(ビスマス孔:E=190/t^2、鉛孔:E=156/t^2)、(2)エネルギー分解能(ビスマス孔、鉛孔共に約40%)、飛行時間分析法により(3)中性子スペクトルを測定した。MCNPコードによる計算結果は、これらの実験値と全体によい一致を示した。次に、このKULSを用いて0.1eVから10keV領域におけるAm-241,Am-243,及びAm-242mの核分裂断面積を測定した。実験には、これらの電着膜とU-235の電着膜をそれぞれ背中合わせにした核分裂電離箱を用意し、測定結果をU-235(n,f)反応の標準断面積に規格化した。Am-241では、Dabbs等の実験値およびENDF/B-VIの評価値は本実験値とよい一致を示したが、JENDL-3.2の評価値は10200eV領域において1.22.3倍低い値を示した。Am-243のENDF/B-VIは1560eV領域で低く、JENDL-3.2は100eV以上の領域で全体に低くなっている。Am-242mに関する予備実験では、ENDF/B-VI、JENDL-32の評価値に近い結果が得られた。また、Am-241,243の熱中性子核分裂断面積についても、標準熱中性子場において測定した。最後に、MAに関する中性子捕獲断面積測定として、Arガス入り比例計数管を用いてNp-237(n,)反応断面積の測定を試みた。本実験では、Np-237試料(2mg)からの中性子捕獲事象の計数率が少なく、バックグランドとの比較において有意な違いは得られなかった。
森嶋 彌重*; 古賀 妙子*
PNC TJ1630 97-001, 37 Pages, 1997/03
土壌中にはウランやラジウム等を含む鉱物が広く分布しており、これらがラドンの発生源として種々の形態で人の生活環境に関与し、ラドン濃度は様々な要因によって時間的にも空間的にも大きく変動している。そこで、環境大気中のラドン濃度の経時変動および場所による濃度レベルの分布を簡便にしかも、正確に評価するために特にピコラドシステムおよび液体シンチレーションスペクトロメータ(Tri-carb 2250CA)を用いて空気中ラドン濃度の測定に関する基礎的研究を行うとともに、日本でも有数のラドン温泉である鳥取県三朝温泉と、その周辺地域のラドン濃度の測定を行い、ラドンおよび崩壊生成核種の環境中挙動に関する検討を行ったので、その結果を報告する。
森嶋 彌重*; 古賀 妙子*
PNC TJ1630 96-001, 27 Pages, 1996/03
活性炭によるラドン吸着を利用したピコラド検出器および液体シンチレーションスペクトロメータを使用して、鳥取県三朝地域における環境中ラドン濃度の測定を行い、ラドンおよび崩壊生成核種の環境中挙動に関する研究を昨年度に引続き行った。ピコラドシステムによる簡便迅速なラドン濃度測定は、測定可能で、採取期間24時間、計測時間200分で、空気中ラドン濃度の最小検出限界は1.7Bq/m3、水中0.43Bq/- である。(1)三朝周辺地域における1995年10月11月に実施した空気中ラドン濃度は、屋外ラドン濃度は7.759Bq/m3、屋内ラドン濃度は13141Bq/m3の範囲で変動した。測定した地域の内、旭地区および竹田地区天神川沿い(竹田川上流の一部)が高く、三朝温泉地区の東南部小鹿地区および三徳地区は低く、人形峠付近についての屋外濃度は、1231Bq/m3と低い濃度レベルであった。屋内ラドン濃度について、もっとも低い小鹿地区と比較すると今回高かった竹田地区は約4倍であった。東大阪市の濃度は小鹿地区と同じレベルであった。(2)三朝温泉地区個人住宅のラドン濃度については、1995年5月より12月迄の経時変動を見ると、屋内濃度は53121Bq/m3、屋外濃度は950Bq/m3の範囲に変動し、浴室内ラドン濃度は48188Bq/m3であった。(3)1995年4月1995年12月における三朝周辺地域の一般家庭の温泉水、河川水、井戸水などの水中濃度はそれぞれ91161Bq/- 、2.310Bq/- 、1434Bq/- の範囲で変動した。
not registered
PNC TJ1630 95-001, 29 Pages, 1995/03
活性炭によるラドン吸着を利用したピコラド検出器および液体シンチレーションスペクトロメータを使用して、鳥取県三朝地域における空気中および水中ラドン濃度の測定を行い、ラドンおよび崩壊生成核種の環境中挙動に関する研究を行った。ピコラドシステムによるラドン濃度測定は、簡便迅速に測定可能で、採取期間24時間、計測時間200分で、空気中ラドン濃度の最小検出限界は1.7Bq/m3、水中0.43Bq/Qと有効な方法である。三朝周辺地域では、屋内ラドン濃度は19158Bq/m3、屋外ラドン濃度は1969Bq/m3に変動、浴室においては換気などに大きく影響されるが、1002200Bq/m3と高く、そして巾広い範囲に変動した。温泉水中のラドン濃度は481066Bq/Q、三徳川、用水路などの水中ラドン濃度は最高14Bq/Qの範囲に変動している。
池田 裕二郎; 春日井 好己*; 宇野 喜智; 今野 力; 前川 洋
Proc., Int. Conf. on Nuclear Data for Science and Technology,Vol. 2, 0, p.1078 - 1080, 1994/00
Re(n,2n)Re及びIr(n,2n)Ir反応は、「長寿命放射性核生成断面積」に関するIAEA-CRPでの対象であるが、生成放射能強度が微弱で、かつ、2~3年の冷却期間の後でも強い妨害放射能によるバックグランドが存在することから、測定が著しく困難である。特に、Re及びIrの放出線エネルギーは、137keV及び155keVと低いことから、現状では、バックグランドの影響が高い。そこで、原研FNSではコンプトン抑止型線スペクトロメーターを整備し、1989年に照射したRe及びIrサンプルの測定を行なった。その結果、バックグランドは、1/10程度に低減され、約1週間連続測定により、対応する線を有意な統計精度で同定できた。求めた放射化率から14.9MeV中性子に対する断面積を世界で初めて導出し理論計算による予測値との比較を行ない、その妥当性を検討した。
春日井 敦; 坂本 慶司; 前原 直; 恒岡 まさき; 永島 孝
JAERI-M 93-101, 30 Pages, 1993/05
120GHz,500kW,TEウィスパリングギャラリーモードジャンイロトロンの発振モードの測定を行った。波数計(k-スペクトロメータ)を用いることにより、ジャイロトロンの設計モードである、TEのウィスパリングギャラリーモードの発振が確認できた。またジャイロトロンは、軸方向磁場を調節することにより、TE,TEのモードで発振することがわかった。さらに、k-スペクトロメータを用いた測定の結果、主モードの他にいくつかの不要モードが観測された。これらのモードは、主モードがジャイロトロンのキャビティとk-スペクトロメータの間の伝送路で、モード変換した結果であると考えられる。
not registered
PNC TJ1545 93-004, 122 Pages, 1993/03
本報告は、本邦での核燃料サイクル施設の本格的稼働を間近に控えたこの時期において、環境中での核燃料サイクルとも関連した長半減期放射性核種の分析定量法を調査した結果をとりまとめたものである。各核種につき既に汎用化されている従来法はもとより、放射能測定を伴わない質量分析器を最終検出器とする最新の分析定量法についても、サーベイした。また、幾つかの核種については、分析対象物質毎に試料の前処理を詳しく記述し、実際の分析に役立つよう配慮した。
上蓑 義朋*; 大久保 徹*; 柴田 誠一*; 柴田 徳思*
PNC TJ2602 87-003, 32 Pages, 1988/03
1986年4月から実験が始まったJASPER・径方向遮蔽実験には、東京大学原子核研究所から持ち込んでいるSUP3/He力ウンタ内蔵高感度ボナーボールスペクトロメータが使われている。本研究では核研ボナーボール測定の結果を集積し、中性子スペクトルへのアンフォールデイングを行った。アンフォールデイングに必要な初期値はDOT3.5による計算値を用いた。また各ボナーボール球の計数に寄与する中性子のエネルギー分布の評価も行った。これらのデータはJASPER・径方向遮蔽実験を中性子断面積評価に反映させるために役立つ。
上蓑 義朋*
PNC TJ2602 87-001, 41 Pages, 1987/03
東大・核研では近年よく用いられるようになった球形3He比例計数管を内蔵した高感度ボナーボール検出器を開発した。我々はこの検出器を、電子技術総合研究所に設置されている中性子国家標準場において、熱中性子及び144keVから15.2MeVの範囲の単色中性子を用いた標準較正を行った。この結果はANISN共役計算値とも比較されている。ボナーボールスペクトロメータの応答関数を求める手法は完全に確立されているとは言えない。従って全く同一の原理を用いた検出器とは言え、ORNLと東大・核研のボナーボール検出器を併用することは、互いの用いている応答関数をクロスチェックするため、また実験データを全くORNLに依存しないためにも重要であると思われる。本報告では現在JASPER実験で用いられている東大・核研製のボナーボール検出器の構造、各材料の組成、応答関数について詳しく述べる。また本検出器によって得られたデータをアンフォールディングし、計算スペクトルと比較する。JASPER実験では実験体系に接近して検出器を置くなど通常と異なる使用をしているので、そのことの影響も評価してみる。
大久保 牧夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 253, p.43 - 46, 1986/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Instruments & Instrumentation)日本原子力研究所リニアックの高分解能飛行時間スペクトロメータ用に、遅延ガンマ線の少ないパルス中性子源が開発された。このガンマ線は主に中性子源での水素による中性子捕獲に因る。中性子源減速体の冷却水に、ボロン・ナイトライドを添加することにより、このガンマ線を非常に低減することが出来た。
大島 真澄; N.R.Johnson*; F.K.McGowan*; C.Baktash*; I.Y.Lee*; Y.Schutz*; R.V.Ribas*; J.C.Wells*
Physical Review C, 33(6), p.1988 - 1998, 1986/00
被引用回数:45 パーセンタイル:88.78(Physics, Nuclear)Er核の高スピン状態の核寿命をTe(S,x)反応を用いて調べた。新しい試みとしてドップラーシフト反跳距離法と、90°に置かれた5台のゲルマニウム検出器と0°に置かれたコンプトン抑止スペクトロメーターの間のガンマ-ガンマ同時計数を組み合わせて測定した。Erの基底状態回転バンドについての結果はスピンと共に集団性が増加する傾向を示した。これは遠心力による展張と解釈されうる。i中性子対のアライメントにより作られるSバンドでは逆に集団性が減少する。この現象はYbでも見られ、原子核の変形が軸対称(プロレイト)から三軸非対称へ移行する結果と解釈された。Er核のサイドバンド,Er核各々のイラストバンドについての結果も、高い回転周波数において同様の集団性の減少が見られた。
阪井 英次
IEEE Transactions on Nuclear Science, NS-31(1), p.757 - 760, 1984/00
カバーガスガンマ線スペクトロメータは原子炉の燃料破損を検出する有効な方法である。しかし高速炉ではカバーガス(Ar)の放射化で作られたAr-41からの1294KeVガンマ線のバックグラウンドが強く、核分裂生成核種からのガンマ線を検出するのが困難になる。室温あるいは冷却した活性炭を用いると、Arに対するKr、Xeの検出効率を改善できる。本論文では内径40mm、深さ8mmの容器に詰めた5gのツルミコール2GMの吸着係数をガスクロマトグラフを用いて測定した結果、およびJRR-3カバーガスを用いて測定した活性炭-Ge検出器の特性について報告する。活性炭の吸着係数の温度依存性、濃度依存性、キャリアガス依存性、破過時間などに触れる。
滝上 誠*; 石河 寛昭
Nuclear Instruments and Methods, 159(1), p.139 - 143, 1979/00
本研究は空気発光による新しい線測定について提案したものである。線で空気中の窒素を刺激すると窒素分子の第1電子励起準位から蛍光放出が起こるので、この発光を液体シンチレーション・スペクトロメーターで効果的に測定することができた。本測定法は次のごとき利点を有する。1)空気自体が検出体なので他の検出器は一切不要である。2)線を高い計数効率(~70%)で測定できる。3)出力パルス波高は放射線の種類に依らず、空気中で失うエネルギーだけに比例するので、線や線の空気発光は無視できるために線の弁別測定が可能である。4)窒素分子の発光スペクトル(3,000~4,500は光電子増倍管のspectral response とよく一致するので、希ガス・シンチレーターの場合のような波長変換体を必要としない。